page top

外来予約へ
HOME>診療科・部門>診療科のご紹介>多発性硬化症センター 患者の方へ

多発性硬化症センター

 

国立病院機構宇多野病院 関西脳神経筋センターでは、多発性硬化症センターを開設しています。
これまで難病対策の一環として、40年以上に渡り特定疾患として取り組まれてきた多発性硬化症(MS(エムエス))は、新しい難病法により指定難病となりました。指定難病13:多発性硬化症/視神経脊髄炎と二つの病名が並んで記されています(視神経脊髄炎はNMO(エヌエムオー)と呼ばれます)。
二つ併記されているのには理由があります。
一つ目の理由は、いずれも似た症状を起こす病気だからです。
視神経炎、脊髄炎、時には脳にも症状が現れ、そういった様々な所に症状が現れ、かつ、繰り返す(再発する)ためです。
二つ目の理由は、治療方法が異なるためです。
病気が異なれば、治療法も変わります。MSの治療薬は選択肢が増えてきました。一方、NMOにはMSの薬は無効と考えられています。NMOには、現在、承認薬がないため、ステロイドを中心とした免疫抑制剤が主治医の経験に基づき使用されています。

MS/NMOと診断されている方は、適切な病状評価を行い、そして増えつつある治療選択をご自身の状況に合わせて選択し、長期的に病気と付き合っていく必要があります。

MSの治療は、注射のみでなく内服治療も可能となりました。
治療目標は、

  1. 再発させない
  2. 症状を進行させない
  3. MRI検査で見られる病変を増やさない

目標にも入っているように、MS診療ではMRI検査がとても重要です。今後も様々な評価方法が開発されるでしょう。

一方、NMOの治療は、MSと異なり、病気がゆっくりと進行するタイプがないと考えられているため、

  1. 再発させない

これが、最大の治療目標になります。

MS/NMOの診断がされていない方は、出来るだけご自身の病状を把握するために、検査が必要ですので、以下のような気になる症状があれば、当院にご相談ください。

MS/NMOの症状:重症度について

脳や脊髄、視神経といった様々な場所に炎症が生じるため、病気が起こった場所に応じて機能が低下します。
MS、NMO共に、障害がどの程度であるかを評価するために、EDSS(イーディーエスエス)(Expanded Disability Status Scaleの頭文字です)が使われています。
0から10の段階(大きいほど重度)で表されます。
指定難病の定義では、4.5以上を重症と判断しています。
歩行能力やADL(日常生活動作)が重症度に反映されおり、歩行に補助具(片側/両側)が必要な方は、EDSS6.0/6.5に相当し、EDSS7.0以上の方は、車椅子が必要な方になります。

その判定には、以下の7つの機能評価項目が含まれており、神経内科医師による診察によって、判断されます。

  1. 錐体路機能
    筋力のことであり、片手だけの場合もあれば(単麻痺)、両足に症状がでる(対麻痺)こともあります
  2. 小脳機能
    バランス能力のことで、歩くときに酔っ払った様にふらついている、または手足を動かすときに大きく揺れるなど運動失調がみられます
  3. 脳幹機能
    おもに頭部にあらわれる症状で、見えるものが揺れる(眼振)、二重に見える(複視)、顔に電気が走る痛みがある(三叉神経痛)、呂律が回らない(構音障害)、飲み込みにくい(嚥下障害)などの症状があります
  4. 感覚機能
    体や手足のしびれ感(ピリピリなど)や、感覚の鈍さや過敏さなどの症状があります
  5. 膀胱直腸機能
    トイレが近い(頻尿)、行きたくなると間に合わない(失禁)、便秘などの症状があります
  6. 視覚機能
    視力が落ちる(視力低下)、見えにくい部分がある(暗点)、かすむ(霧視)、目を動かすと痛い(眼痛)などの症状があります
  7. 精神機能
    気分が落ち込む(うつ状態)、疲れやすい(疲労感)、仕事の能率が下がってきたなどの症状があります

これらを見ても、多様な症状が現れることが分かると思いますが、MS/NMOは症状の出現の仕方に特徴があります。
例えば、ある日突然、倒れてしまうような脳卒中のような病気は、発病した時間がはっきりわかります。
一方、MS/NMOの場合、数時間(朝と夕方では違う)から数日(昨日と今日では違う)かけて、だんだんと症状が悪化するのが特徴です。そのため、痺れていた範囲がだんだんと広がってくることや、しびれ感(感覚機能)だけでなく力も出なくなったり(錐体路機能)、トイレも我慢しにくくなる(膀胱直腸機能)など症状が増えるようなら要注意です。
気になる症状があったけど翌日には症状が消えてしまうようなら、問題がないことが多いでしょう。
自分でわからないまま進行している症例(進行型MS)もありますので、家族から見て、以前より悪く変化してきているようなら、検査をおすすめします。

病気の進行について

MSは以下のタイプに分類されます。

再発寛解型(RRMS)

急性増悪(再発)と改善(寛解)が繰り返されるタイプ

一次性/二次性進行型(PPMS/SPMS)

発症時から/発症後数年経ってから、症状が進行するタイプ
*進行性と呼ばれますが、常に進行する訳ではなく、活動性がある時とない時があります。

CIS(Clinically isolated syndrome)

MSを疑うような急な発作が初めて起こった状態です。
*しかし、全ての方がMSになる訳はありません。

RIS(radiologically isolated syndrome)

症状はないけれど、MSを疑うようなMRI所見が偶然見つかった状態です。
*CISと同様、必ずしもMSになる訳ではありません。

NMOは、再発した場合に悪化すると考えられています。
MSと異なり、進行型はないと考えられていますので、進行する場合は、再発していないかの検索が重要です。

受診の予約について

診断がついていない方/セカンドオピニオン目的の方

初診時に問診、神経学的診察、MRI検査等を行いますが、診断が未確定の方は、検査入院を行った方が多くの検査を早く終わらせることが出来ます。

MS/NMOと診断されている方

定期的に通院して頂き、神経学的診察、MRI検査、採血などを行います。病状評価と薬剤の有効性を判断します。
MSは、知らない間に症状が進行する方もありますので、定期的な受診を続けて下さい。治療薬の副作用がないかどうかの確認も大切です。

入院中の方

家族のみの来院でも構いませんが、経過がわかるように紹介状を準備してください。
脊髄炎などの再発が生じてから、まだ間もない時期であれば、リハビリテーションでの入院相談も受け付けております。

※診察は、神経免疫外来(田原将行、月・木曜日 午前中)で対応致しますが、症状がある時の方が、検査での異常が出やすいと思われますので、当院地域医療連携室までご連絡(平日9:00~17:00)いただければ、随時対応いたします。

予約電話番号:075-461-5121