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発達障害

 近年、発達障害について広く知られるようになり、インターネットでも様々な情報があふれています。お子さんが「発達障害ではないか?」とご家族が心配されて受診されることも、園や学校で指摘されて受診されることも増えています。
 発達障害は、大きく「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」、「注意欠如/多動性障害(Attention-Deficit/ Hyperactivity Disorder; AD/HD)」、「限局性学習症(学習障害)(Specific Learning Disorder; LD)」の3つにわけられます。
 このような特性によって、日常生活や学校を含む社会生活、学習などに問題が生じていることが前提になります。

自閉スペクトラム症(ASD)

 従来は、自閉症や高機能自閉症(アスペルガー症候群)とされていましたが、現在では一連のスペクトラムという考え方から自閉スペクトラム症に統一されています。大きく分けて2つの要素「コミュニケーションの問題」と「限定的な興味・活動」から診断されます。
 「コミュニケーションの問題」には、人との距離感が近い、会話のやりとりが難しい、感情の共有が難しい、アイコンタクトや身振りが乏しい、仲間関係を築けないなどがあります。
 「限定的な興味・活動」には、手をひらひらさせるなど反復的な動作、言葉のオウム返し、頑ななこだわり、限定的で強い興味、音・臭い・味など感覚の過敏さ・鈍感さなどがあります。

注意欠如・多動性障害(AD/HD)

 忘れ物・失くし物が多い、集中できない、話しかけられても聞いていないように見えるなどの「不注意」の症状や、落ち着きがない、席を離れる、待てない、他の人のじゃまをするなど「多動性・衝動性」の症状があります。ただし「不注意」に見えても、実は学習上の困難があって勉強に集中できない、実は興味のある他のことに注意がそれてしまうなどの場合もあります。
 「不注意」と「多動性・衝動性」のそれぞれの要素を確認し、「不注意優性型」、「多動性・衝動性優性型」、両方の特徴が強い「混合型」に分けられます。

限局性学習症(学習障害・LD)

 定義としては、全般的な知能は正常範囲、視覚・聴覚などの障害がない、学習環境や本人の意欲にも問題がないという状態にも関わらず、読み書きや計算など特定の領域の習得困難がみられるとされています。
 文字が正しく読めない、「きゃ、きっ」などが読めない、流暢に音読できない、読んでも理解していない、漢字が書けない、書字の誤りが多い、文字を書くのをとても嫌がる、計算ができない、などの症状で気づかれます。目安として2学年下の学力水準である場合に疑うといわれています。
 読み書き障害では、ひらがなやカタカナでは気づかれにくく、習得する漢字が増えてくる小学3年生頃から明らかになることもあります。

二次障害

 発達障害による生活上の困難に、本人も困っています。学校や園などでの集団生活が難しくなったり、学習に拒否感が出たり、園や学校に行きにくくなることもあります。ストレスが、体の症状につながることもあります。怒られることや注意されることが多く、自信も失いがちです。

発達障害の診断

 まずは幼少期からの経過、発達、家庭・園や学校での日常生活の状況、診察での様子などから、本人の「特性」を把握します。
 診断の参考に、評価スケールなどを用います。基礎的な疾患がないか、血液検査やMRI検査などの検査を行う場合もあります。
 発達検査や知能検査を行い、本人の発達・知能レベルを把握することは重要です。知的能力が境界域であるお子さんは日常生活では気づかれにくいものの、学校生活で困難を抱えている場合もあります。WISC-IVによる知能検査では、本人の認知・記憶・情報処理などの特徴もわかります。

治療

 まずは保護者や保育士・教師などが本人の「特性」を理解することが重要です。その上で、年齢が上がるにつれて本人が自分の「特性」を少しずつ理解していくことも必要です。
 本人の特性に応じて、生活環境や学習環境、保護者や先生の対応などを見直します。家庭だけではなく、園や学校と協力して、支援体制を考えていく必要があります。
 注意欠如・多動性障害では、薬剤治療があります。現在は、コンサータ®、ストラテラ®、インチュニブ®の3種類があり、それぞれ特徴があります。