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神経内科

高齢者がよく生きるためのQ&A

意識について教えて下さい。

意識とは何か?これは難しい質問です。まず「意識がない。」とは、どういうことか考えてみましょう。救急で運ばれてきた患者さんの意識があるかないか「目を開けて、手を挙げて。」といった命令に応じることができれば「意識がある。」ととります。命に応じられないとき痛み刺激を与えます。痛み刺激に対して、少しでも顔をしかめたり手足を動かせたらば半昏睡ととります。もちろん麻痺があったり感覚障害があれば分かっていても反応できない場合もあります。痛みに対して反応が全くないとき昏睡ととります。つまり意識があるとは痛みが分かり、反応して手足と顔を動かせることなのですが広い幅があります。せん妄状態といって錯覚、幻覚、パニックが一緒になった状態がありますが、これは病的に意識が高揚した状態と考えられます。

意識とは何か、認識とは何か、これは哲学の問題でもあります。人類の永遠のテーマと言えるもので、いつか改めてお話ししたいと思います。

さて、意識の中枢はどこにあるのでしょうか?脊髄や延髄がやられても意識はあります。また大脳がやられてもそれが広範で両側でないかぎり、意識は保たれています。ですから意識は延髄と大脳の間、つまり解剖学的には橋、中脳、被蓋網様体、間脳にあります。

中脳から間脳にかけての上行性脳幹網様体賦活系や前頭葉内部がやられると、寡動性無言症といって動かない、喋らないという状態になります。全く喋らない、動かないという状態がいわゆる「植物」状態で、自分で呼吸もし心臓も動いているけれども外界には反応がありません。似た状態だけれども意識があって開閉眼のみで意志伝達が可能な状態は、橋がやられたときにおこる「閉じ込め症候群」モンテクリスト伯症候群です。脳幹網様体は生きているけれども四肢麻痺のためコミュニケーションは眼だけとなります。

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