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神経内科

高齢者がよく生きるためのQ&A

脳梗塞の新しい治療が可能になったというニュースを聞きました。詳しく教えて下さい。

脳の血管が詰まる脳梗塞は、発症時間がはっきりしています。何時何分何秒から、手足が麻痺した、痺れた、という具合に、発症時間が正確に分かります。発症3 時間以内の超急性期に、血栓溶解剤を点滴すると、血栓が溶解されて、脳血流が再開し、症状が軽くなることがあります。ですから、時間が大事になります。最近、tPAという血栓溶解剤が保険承認され、日本脳卒中学会が承認する、講習会を受講した医者で、十分なケアが迅速にとれる施設なら、使用可能です。この薬は、出血という恐ろしい副作用があるので、全ての医者が使用できるというわけにはいきません。

以前は、発症 6時間以内の脳塞栓に対して、閉塞した動脈内にガイドワイヤーを突っ込み、ウロキナーゼという塞栓溶解剤を注入していました。その経験から、一旦閉塞した血管の塞栓や血栓を溶解させるのは、並大抵ではないと実感していますから、本当にすべての血栓が溶けるとは思われませんが、適応を誤らなければ、脳梗塞の患者さんには、朗報です。
最近の一例をご紹介します。71才の男性のお話です。高血圧の治療をされていましたが、煙草一日10本、酒一日5-6合の大酒家でした。昼の12時30分に急に立ち上げれなくなって、救急車で搬送されてきました。病院到着は、13時30分。右片麻痺があり、パピプペポがうまく言えない。MRI検査をすると、左中大脳動脈が閉塞。胃潰瘍の既往や脳微小出血痕もなく、高血圧を除いては、tPA使用条件を満たしていました。降圧剤を使用して、血圧が185/110以下となったので、発症2時間後から、治療を開始しました。tPA療法によって、閉塞していた中大脳動脈が開通し、頭頂葉や基底核の血流は戻りました。
残念ながら、前頭葉の言語中枢の血流は戻りませんでした。

現在、患者さんは右片麻痺と運動性失語症のリハビリを続けておられます。
このように、tPA療法によって、後遺症を少なくすることはできますが、それには 3時間以内に治療を開始する必要があります。脳梗塞治療は、時間との戦いであります。

 

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