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神経内科

高齢者がよく生きるためのQ&A

けいれんについて教えて下さい。

筋肉の痙攣や胃の痙攣もありますが、ご質問は、脳のけいれん、つまり、てんかん発作についてだと思いますので、脳の痙攣についてお答えします。

神経の働きは、細胞膜の電位差の変化でとらえることが出来ます。つまり、脳には電気が流れていて、情報が行き来すると考えて下さい。脳波は、脳の電気の流れをとらえています。頭皮上で、脳の電気の流れを観察し、それを増幅してみます。眼をつむって静かにしていると、α波といって、一秒間に、8-11 ヘルツの波が記録できます。眼を開けると、 12ヘルツ以上の細かい、β波が記録されます。このように、脳はいつも電気活動をして、興奮を伝えたり、逆に抑制したりしているわけです。

脳の神経細胞が興奮すると、異常な電気の流れが生じ、その電気の流れが脳の中を駆け巡り、意識がなくなったり、あるいは手足顔が痙攣します。脳のどこの場所が興奮したのかは、てんかん発作の形で分かる場合があります。異常な電気興奮がいつも同じ場所から発生するときは、局在関連てんかんと呼びます。場所が特定できない場合は、全般てんかんと呼びます。局在関連てんかんでは、テグレトール(アレビアチン)を使い、全般性てんかんでは、デパケンをまず使います。

てんかんの発病率は、小児が圧倒的に多いようですが、60才以降から、また上がってゆきます。脳卒中や神経細胞が壊れる変性疾患が現れ、そのため壊れた神経細胞のとなりの神経細胞が興奮しやすくなるためです。高齢者のてんかん発作に対して、すぐに薬を処方するのは考えものです。興奮する神経細胞が増えるとは考えられないからです。発作をよく観察し、どんな条件で起こったのか、前兆は何だったのか?などを記録して下さい。 意識がなくなるだけで、全身痙攣が起こらない場合は、低血圧、低血糖、低酸素など、一時的に血液が脳に届かない場合でも、起こりえます。てんかんと分けて考える必要があります。

全身痙攣が起こった場合、外傷に気をつけ、横に寝かせ、観察して下さい。痙攣は 1-2分でおさまり、その後は、脳は休み、眠るのが普通です。10分以上痙攣が続く時は、痙攣重積という状態で、どこかで止めなければ、低酸素-痙攣の悪循環に陥りますので、救急車を呼んで、痙攣重積を止める必要があります。大抵の場合は、痙攣は止まり、あとは朦朧状態を経て、意識は戻ります。

けいれんが起こるということは、興奮する神経細胞がまだまだ生きているのだと、肯定的に考えて下さい。

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