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神経内科

高齢者がよく生きるためのQ&A

リハビリの極意とは何でしょうか?

一人の例をご紹介しましょう。6年前にくも膜下出血後の脳血管攣縮で、左片麻痺になり、2,3のリハビリ施設を経由して、宇多野病院に転院された、60才の男性です。

入院当初は、5-2病棟で、車いすに終日坐ったまま、食事も一人で出来ず、会話も成立しませんでした。患者さんは、元芸術家で、ニューヨークを拠点に、建築、木工を手がけていたそうですが、病棟食堂で、食物残渣にまみれた姿を見ると、想像もできない過去でした。やる気を起こさせる薬、理学療法士や看護師さんの刺激、励まし、さらには集団リハによる刺激などで、徐々に意欲が出現。昔の作品の写真を、家族の方に持って来てもらい、本人の昔の良かった記憶を呼び覚まし、本人の口を通じて、昔の作品の話を聞きました。片麻痺になって、6年も経過してから、左手が動きだし、這って歩き、そうして、車いすを操作して、ワゴン車に乗れる、右手で鶏の木工が彫れるようにまでなりました。

メタボリックシンドロームの指標

もう一つしたことがあります。それは、左指をうごかそうとする時は、「左指、左指」と呪文のように唱えてもらうことでした。鹿児島大学霧島リハビリセンターの川平和美先生の考案した「促通反復療法」の基本は、動かしたい部位を頭の中にイメージすること、意識することで、患者さんが意識した部位に刺激を与えて、運動を助けることです。例えば、左の人指し指が固まって伸びない時、「左の人差し指を伸ばしてみて」と人差し指を意識してもらい、その人差し指の第二関節を軽く叩いてみせると、今まで伸びかった関節が伸びるように動き始めます。

五体満足であった、昔の記憶を呼び戻し、昔の自分に戻りたい、という意欲と、動かしたい手足を脳の中にイメージする、意識すること、声に出して脳をリハビリすることが、リハビリの極意だと思います。

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