国立病院機構|宇多野病院|関西脳神経筋センター

病気について知りたい > 高齢者がよく生きるためのQ&A 

患者さまとご家族の方へ

神経内科

高齢者がよく生きるためのQ&A

月に何回かズキズキと頭痛があって、鎮痛薬があまり効きません。普段は痛くないので、放置していますが、どうしたらよいでしょうか ?

メタボリックシンドロームの指標

お話からは、片頭痛(偏頭痛)が疑われます。例えば、くも膜下出血の頭痛は、とにかく激しく「何かしてもらえないと、死んでしまう」と思う程強烈な痛みです。ご質問のように、頭痛がある時とない時があるのは、機能的(つまり、脳の中に腫瘍や出血や炎症がない)頭痛と考えられます。このような機能的頭痛あるいは慢性の頭痛には、3つの可能性があります。片頭痛、緊張型頭痛、それに群発性頭痛が代表的です。

片頭痛の痛みは、脈打つように、ズキンズキンと痛みます。頭の片側のこめかみから眼のあたりにかけて起こるので、「片頭痛」という病名がつけられていますが、片頭痛の40%は、両側に頭痛が起こります。20-40代の女性に多く、月に 1-3回程度で、持続時間は 4時間から 3日間です。人によっては、頭痛の前触れ;視野にチカチカした光(閃輝性暗点)が見えた後、拍動性頭痛がやってくる場合があります。吐き気が起こったり、あるいは光や音に過敏になり、暗くて静かな場所へ行きたいと思わせます。

片頭痛の原因として、頭の中の血管の収縮とその後に起こる拡張が考えられています。血管を収縮させる物質として、血小板から出されるセロトニンが有力で、血管収縮にセロトニンが大量消費されると、セロトニンが枯渇し、血管が拡張し、三叉神経が刺激されて、痛みが始まる、と言われています。

最近は片頭痛に有効な薬も開発されていますので、頭痛の頻度、部位、性質(拍動性か持続性か、前兆があるかないか等)をご自分で文章化して、病院を受診されては如何でしょうか? 頭痛をよく対象化し、言葉で表現する努力をして、医者に説明して下さい。対象化しておくと、次に頭痛が来ても、パニックになることが少なくなります。ただし、脳腫瘍、脳出血、炎症の初期には、頭痛が軽くなることもあり、いつもとは少し違うなという感じがあれば、病院へ行き、CTやMRI などで、検査することで、機能的頭痛かあるいは器質的(腫瘍がある、血管奇形があるなど)な原因が鑑別可能です。

緊張型頭痛では、頸椎のレントゲン写真に異常がみつかる場合があり、群発性頭痛は 30分から 2時間持続する頭痛が、毎日 1-2 ヶ月続きます。この群発性頭痛は、中年男性に多く、起こるのは大抵夜で、痛みのために眼が覚めます。群発性頭痛の方が、片側で強烈であり、強そうな男が涙を流し、鼻水を垂らします。強烈な頭痛と、12 週程度続く群発性が、診断の決めてとなり、飲酒によって惹き起こされることがあります。エルゴタミン製剤が効きます。トリプタンが片頭痛薬として喧伝されていますが、10-30% で無効例があり、月経時片頭痛には効きません。トリプタンはまた、薬物乱用頭痛を惹き起こすことがあり、要注意です。

「アロデイニア」とは、本来は痛みを感じないような刺激で、痛みを感じる状態をいい、風に当たると痛い、眼鏡やイヤリングをするだけでも痛いなど、片頭痛の随伴症状として出現するようです。アロデイニアが出てから、トリプタンを服用しても無効です。トリプタン服用に際しては、タイミングが大事になります。ここでも、片頭痛との対話、その対象化が大事です。

ページトップへ